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月別アーカイブ: 2025年4月

ES保信のよもやま話~雑学講座10~

皆さんこんにちは!

 

ES保信株式会社、更新担当の中西です。

 

 

さて、

確認事項

ということで、今回は、基礎工事を成功させるために現場で必ず押さえるべき10の事前確認事項を、実務に即して深くご紹介♪

 

「基礎がしっかりしていないと、どんな建物も長持ちしない」。
建築の世界で言われ続けてきたこの言葉の通り、基礎工事は建物の寿命・安全性・快適性のすべてを支える重要な工程です。

その工事品質を左右するのが、「事前確認」。


なぜ事前確認が重要なのか?

基礎工事は、やり直しが効かない「一発勝負」の仕事。
そのため、少しの見落としが大きなミスや損害、建物全体の不具合に発展することもあります。

たとえば…

  • 地盤の沈下による傾き

  • アンカーボルトの位置ズレによる柱建方の支障

  • 配筋の施工ミスによる構造的な弱点発生

  • 設備配管との干渉による破壊や追加工事

これらはすべて、事前に確認すれば防げる問題です。


基礎工事における事前確認事項《10のポイント》


✅ ① 地盤調査結果の確認と対応工法の決定

  • 地耐力が基礎形式に適合しているか?(布基礎/ベタ基礎/杭基礎)

  • 軟弱地盤、液状化、地下水位、埋設物の有無

  • 必要に応じて地盤改良(表層改良/柱状改良など)の実施確認

📌 地盤調査報告書は必読。設計者だけでなく、施工側も把握すべき基本情報です。


✅ ② 設計図と実施工図の整合性チェック

  • 基礎伏図、断面図、配筋図、構造計算書の内容確認

  • アンカーボルトやスリーブ、地中梁の位置関係

  • 建築・構造・設備図面間での不整合がないかをチェック

📐 図面間の食い違いは、現場の施工ミスやクレームの大きな原因になります。


✅ ③ 現地の高さ・位置出しと境界確認

  • 計画GL(グラウンドライン)と実地盤との差

  • 敷地境界杭や隣地との距離確認

  • 高低差がある場合の基礎立上り高さの適正化

📏 境界違反や土留め不足、雨水逆流などのトラブル防止のための測量確認は最重要です。


✅ ④ 建設予定地の埋設物・障害物の有無確認

  • 古い基礎、瓦礫、ガス管、水道管、浄化槽などの埋設物調査

  • 地中レーダーや事前掘削での確認を推奨

  • 不明物が出た場合の対応フロー確認(設計者・監督者との連携)

🔍 地中障害は予算超過や工期遅延の大きな原因となるため、事前把握が肝要です。


✅ ⑤ 基礎位置出し(墨出し)の精度確認

  • 墨出し位置と設計図の基準点との整合

  • 水糸・レベル確認/トランシットによる対角チェック

  • 主要構造体(柱芯、壁芯)の正確な位置把握

📐 建物のズレ=構造不良・仕上がり不具合に直結します。


✅ ⑥ 配筋の仕様確認と施工指示

  • 主筋・配力筋・補強筋の位置・本数・継手長さ・定着長さの確認

  • スラブ・梁・立上り部のかぶり厚

  • スペーサーブロックの種類と設置間隔

🧱 配筋ミスは構造安全性に直結する重大トラブルなので、施工前に指示・打合せを徹底します。


✅ ⑦ アンカーボルト・スリーブの位置・サイズ確認

  • 柱脚アンカーの位置・高さ・直角の確認(型枠固定前に!)

  • 給排水・電気配管のスリーブや先行配管の設置位置

  • 設備図との整合/現場スケッチによる共有

📎 「あとから気づいても直せない」部位だからこそ、型枠前の確認が生命線です。


✅ ⑧ コンクリートの打設計画確認

  • コンクリート打設時期・天候・気温の確認(寒中/暑中コンクリート対応)

  • 生コンの強度・スランプ・混和剤仕様

  • 打設順序・振動棒の入れ方・継ぎ目(打ち継ぎ位置)の検討

🌦️ コンクリートは生き物。打設の段取りが品質を決定します。


✅ ⑨ 養生・脱型・天端処理の確認

  • 湿潤養生の方法と期間(シート、散水、被覆材)

  • 脱型時期と天端仕上げの方法(レベラー、モルタル押え)

  • 湿気・乾燥・温度の管理

🧪 強度確保には初期養生が何よりも重要です。コンクリートの耐久性は養生で決まるとも言われます。


✅ ⑩ 他工種との工程・作業干渉の確認

  • 土工、鉄筋工、型枠工、設備配管工との作業バッティング回避

  • 作業順序と時間帯の調整(狭小地では特に重要)

  • 仕上げ業者との取り合い確認(立上り・土間・外構)

🧱 チームワークの乱れはミスとクレームの温床。段取り八分、現場二分です。


事前確認は「品質」「安全」「信頼」をつくる段取り

基礎工事は、「計画」「準備」「確認」が最も重要なフェーズです。
完成してからでは、直せない、取り返せない、やり直しができない。だからこそ、事前に全ての情報を“見える化”してチーム全員で共有することが必要です。

  • 地盤と構造の整合性

  • 設計と施工図の確認

  • 現場条件と作業体制のチェック

これらの積み重ねが、高品質・高信頼の建物の土台となります。


「施工力」は、「確認力」で決まる

「基礎はコンクリートではなく、“確認”でできている」
私たちは、そう言っても過言ではないと思っています。

✔ 設計を読む力
✔ 現場を見抜く力
✔ 他と調整する力

この3つの「確認力」を磨くことで、安全・安心・高精度な基礎工事が実現します。

弊社では一緒に働く仲間を募集しています♪

 

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ES保信のよもやま話~雑学講座9~

皆さんこんにちは!

 

ES保信株式会社、更新担当の中西です。

 

 

さて、

設計

ということで、今回は、基礎工事における設計の考え方・手順・注意点・設計と施工の連携まで、実務に役立つ深い情報をご紹介♪

 

基礎工事における設計の重要性と現場を支える思考とは?

こんにちは。私たちは、戸建住宅から集合住宅、商業施設、公共建築物まで、幅広い建物の基礎工事・構造工事を専門に行っている施工業者です。

建物はどれほど立派に見えても、「基礎が悪ければすべてが台無しになる」これは建築の現場で繰り返されてきた真理です。

その基礎の「良し悪し」を最初に決めるのが、まさに「基礎設計」。


そもそも“基礎設計”とは何をするのか?


基礎設計とは、建物が自重や地震、風などの外力に耐えられるように、その「土台」を地盤と構造に応じて最適な形に計画することを言います。

基礎は、単に建物を支えるだけではなく、

  • 地盤の性質(支持力、沈下しやすさ)に応じた選定

  • 建物の規模・構造形式に合わせた強度と安定性の確保

  • 経済性・施工性・環境条件への適合

など、複数の要素を総合的に調整しながら設計されます。

📌「基礎をどう設計するか?」は、構造安全性・工期・コスト・将来のメンテナンス性にまで影響する最重要ポイントです。


基礎設計の主なプロセス


✅ ① 地盤調査の実施・地耐力の把握

  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)

  • ボーリング調査(大型建物の場合)

  • 表層地盤の土質・支持層の深さ・地下水位・液状化の可能性などを確認

📊 地盤が軟弱なら、布基礎→ベタ基礎→杭基礎へと仕様が変わる
設計の起点は、地面の「力」の理解から始まります。


✅ ② 基礎形式の選定

基礎形式 主な用途 特徴
布基礎 木造住宅など軽量構造 コスト安・施工性良だが沈下に弱い
ベタ基礎 中低層住宅や小規模建築 底面全面で荷重を分散・不同沈下に強い
杭基礎 高層ビル・軟弱地盤 地中深くの支持層まで杭を打設して支持

📌 用途・地盤条件・コストのバランスを見て、最適な基礎形式を選定します。


✅ ③ 荷重計算と構造設計

  • 建物の「鉛直荷重(自重+積載荷重)」と「水平荷重(地震力・風圧力)」を考慮

  • 地盤の許容支持力度を超えないように基礎幅・厚さ・配筋量を計算

  • 複数棟を連結する場合は基礎梁の剛性やスラブ厚の均一性も考慮

🧮 建築基準法施行令(第38条~)に基づいた構造計算書の作成が必要となる場合もあります。


✅ ④ 基礎伏図・基礎断面図の作成

  • 柱や壁の下に対応するフーチング位置・寸法の設計

  • 配筋構造(主筋・補強筋・スラブ筋など)の配置図

  • アンカーボルトの位置、型枠高さ、スリーブ位置の表示

📐 鉄筋のかぶり厚・結束位置・補強筋の取り回しなど、施工精度に直結する情報を明確に表現することが求められます。


✅ ⑤ 他工種との納まり検討(建築・設備・土木との調整)

  • 排水管・電線管・給水管の通るスリーブ位置や貫通処理の確認

  • 地盤改良工事との工程調整

  • 基礎と外構(擁壁、土間コン、舗装など)の連携設計

💡 設計段階で納まりが整理されていないと、現場で打ち直しや配管干渉が発生する可能性があります。


基礎設計でよくあるトラブルとその防止策


⚠️ 不均一な地盤による不同沈下

  • 建物の片側だけが沈んで、ひび割れや傾きが発生

✅ 解決策:地盤調査の精度向上+地盤改良やベタ基礎・杭基礎の導入


⚠️ 配筋ミスによる強度不足

  • 基礎梁の主筋が所定の位置に配置されていない

  • 鉄筋の重ね継手が不十分

✅ 解決策:詳細な配筋図の作成+現場での事前打ち合わせ(配筋検査)


⚠️ スリーブ・設備配管との干渉

  • コンクリート打設後に「ここに配管が通らない!」と発覚

✅ 解決策:設備設計との事前連携+スリーブ図・配管ルート図の統合


基礎設計の進化とこれからの視点


◆ 地盤情報のデジタル化・AI活用

  • 地盤調査データをもとに、AIが最適な基礎形式を自動提案

  • 地域ごとの土質データベースによる設計効率化

📊 感覚や経験値から脱却し、データに基づいた設計が可能に


◆ BIM連携による干渉チェックの精度向上

  • 設備・構造・建築が1つの3Dモデルで連携

  • スリーブ・型枠・配筋の干渉を事前に“見える化”

🧱 現場での変更対応を減らし、ムダなコストをカット


◆ カーボンニュートラルと基礎設計

  • コンクリート使用量削減のためのスラブ厚最適化

  • 鉄筋の軽量化設計と高強度材の活用

🌍 環境配慮が“設計の評価軸”になる時代が到来しています。


良い建物は、「良い基礎設計」から生まれる

建築の世界には、「基礎がすべて」という言葉があります。
それは、施工の品質や見た目だけでなく、設計という“考える力”の段階から勝負が始まっているという意味でもあります。

  • 地盤を読む

  • 力を逃がす

  • 他とつなぐ

  • 現場で作りやすくする

この4つを設計に落とし込むことで、安全・高精度・合理的な基礎工事が実現できます。

 

弊社では一緒に働く仲間を募集しています♪

 

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